令和4年度 事 業 計 画
国は令和4年度予算を新型コロナ対策に万全を期しつつ「成長と分配の好循環」による「新しい資本主義」の実現を図るための予算と位置付け、一般会計予算総額は約107兆6千億円で、公共事業費は6兆575億円を計上している。令和4年度の公共事業への投資額は、令和3年12月20日に成立した3年度補正予算で公共事業関係を2兆9千億円計上しており、当初予算と合わせて前年と同規模となっている。
国土交通省の令和4年度予算の基本方針は、「国民の安全・安心の確保」、「社会経済活動の確実な回復と経済好循環の加速・拡大」、「豊かで活力ある地方創りと分散型の国づくり」を3本柱として掲げるとともに、工期等の平準化やi-Construction の推進など、公共事業の適格な推進に取り組むとしている。
福島県の令和4年度一般会計予算は、復興・創生分2,429億円を含め1兆2,676億円となった。新しい総合計画がスタートを切る重要な一年として、新型コロナウイルス感染症への確実な対応はもとより、震災・原子力災害からの復興と福島ならではの地方創生を力強く進め、防災力の強化や地球温暖化対策、デジタル変革の推進などに対応していく予算としている。公共事業は、令和元年度東日本台風等災害復旧費が減となる一方、復興分や防災力強化などに向けた事業費が増となり前年より7億円増の1,890億円となった。なお、令和3年12月の県議会定例会で国の経済対策を受けた補正予算を議決しており、防災・減災、国土強靭化に対応した公共事業及び維持補修費等で254億円が補正計上されている。
当協会としては、国県等が進める防災・減災、国土強靭化やi-Construction及びDX(デジタルトランスフォーメーション)等の施策に的確に対応し、「ひと」「暮らし」「しごと」が調和しながらシンカ(深化、進化、新化)する豊かな社会を目指す福島県の新たな総合計画の実現に寄与し、郷土の発展と安心安全の向上に貢献する。
まず、公共事業の推進に的確に対応するため、各種研修会の開催や新技術等の調査研究に取り組むとともに会員へ情報を提供する。また、経営基盤の安定・充実を図るため、労働環境の改善向上に努めるなど人材の確保を図るとともに、国県等へ公共事業の計画的な推進を働きかける。
また、高度経済成長期に整備された河川道路等のインフラ(社会基盤)の多くが建設から50年以上経過し老朽化が一層進むことから、点検・診断などインフラの老朽化対策に積極的に取り組むとともに、改正品確法の受注者責務に応えるため、地域の特性を把握し将来の姿を描ける知識と能力を有する技術者の育成に努める。
以上を踏まえ、重点目標を掲げ以下の事業を実施する。なお、新型コロナウイルス感染症対策については、国県等の方針や指示を踏まえ会員と情報共有しながら、適切に対処する。
- 1.重点目標
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- (1) 県土の復興と創生を支える社会基盤整備への対応
- (2) 大規模な自然災害に対応する防災・減災・国土強靭化への対応
- (3) 将来を見据えたインフラ老朽化対策への対応
- (4) 改正品確法の受注者責務である技術力向上、技術者育成、確保
- (5) 働き方改革の推進
- (6) 経営環境の改善
- (7) 入札制度改革への適切な対応
- (8) 地域貢献活動
- 2.実施事業
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- (1) 建議、要望及び関係機関との連携
- ① 官公庁及び関係団体との協議・意見交換・要望
- ② (一社)全国測量設計業協会連合会・東北地区協議会との連携
- ③ (一社)福島県建設産業団体連合会ほか関係諸団体との連携
- (2) 技術力の向上並びに経営基盤の充実強化に関する事業
- ① 技術力向上のための専門研修・講習会の開催
- ア)河川、道路事業に関する技術力の向上
- イ)災害復旧事業に関する技術力の向上
- ウ)橋梁・トンネル等構造物の維持・補修に関する技術力の向上
- エ)三次元測量設計に関する技術力向上
- ② 資格取得支援講座等の開催
- ③ 独占禁止法や入札制度等、経営に関する講習会等の開催(事業承継承継など)
コンプライアンス意識の向上(倫理綱領の遵守) - ④ 経営改善(事業承継承継、人材確保等)、や新規業務開発に繋がる業務・技術に関する調査・研究
- ⑤ 関係法令、規則、指針等の周知
- ⑥ 協会独自のCPD制度の検証と適切な運営運営
- ⑦ 働き方改革の推進
- (3) 啓発宣伝・地域貢献等に関する事業
- ① 会報会報、会員名簿の発行
- ② 協会ホームページの運用
- ③ 業務用参考図書の斡旋
- ④ 会員・従業員の表彰
- ⑤ 高校生の測量競技大会の支援及びインターンシップの協力
- ⑥ 測量体験教室など新たな地域貢献事業の実施
- (4) その他事業を円滑に実施するため、関係機関等と連携を密にし、必要に応じて随時適切な運営を図るものとする。
令和3年度 事 業 実 績
令和3年度の事業においては、国県等が進めるポストコロナの経済構造の転換や新技術の推進に的確に対応し、郷土の発展と安心安全の向上に貢献するため、経営基盤の安定・充実を図るとともに働き方改革を推進し技術者の確保に努め、福島の復興・創生の実現に貢献する郷土の技術者集団であり続けることを目指し各種事業に取り組んだ。
一方で福島県においても、8月8日から9月30日まで及び令和4年1月27日から2月20まで新型コロナウイルス感染症まん延防止等重点措置区域となるなど、逼迫した状況が続いており感染症対策を優先しながらの事業実施となった。
- 1.建議、要望及び関係機関との連携に関する事業
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福島県測量設計業協会会員は、地域の雇用の確保や災害時の緊急出動など地域の安定と安全に寄与し、また地域の実情に精通し知識と技術力を備えた郷土の基幹産業の一員として地域社会発展に貢献してきていることを訴え、会員の積極的な活用などについてあらゆる機会を捉え県など発注機関等へ要望や要請をした。
- (1) 県土木部との意見交換会(令和4年1月18日)
- ① 公共施設の維持修繕について
協会員である地元測量設計業者の積極的な活用と予算の確保 - ② 社会基盤の整備について
当協会員である地元測量設計業者の積極的な活用と予算の確保 - ③ 大規模災害対応の効率化、品質の確保等について
災対対策工程の共有と積算基準の見直し - ④ 災害時の協定活動後の速やかな災害業務の委託について
- ⑤ 品質確保と労働環境の改善について
業務の平準化と打合せの効率化 - ⑥ BIM/CIMの取組みについて
人材の確保育成及び新技術の導入 - (2) 建産連を通じての自民党県議団へ要望
- ◆令和4年度県予算編成に対する要望(令和3年8月24日)
- ① 公共事業予算の安定的確保等について
- ② 担い手3法の遵守による危機管理産業としての地域建設業の経営安定化と適正利潤の確保について
施工時期の平準化、最低制限価格の引上げ、地元企業の優先活用ほか - ③ 「新しい生活様式」への対応について ほか
- ◆令和4年度政府予算に対する要望(令和3年12月4日)
- ① 地方創生に向けた社会インフラ予算の確保と計画的な推進について
- ② 公共工事品質及び生産性向上のための発注・施工時期の平準化について
- ③ 低入札価格調査基準の引き上げについて
- (3) 福島県土木建築調査設計団体協議会を通じての県入札制度等監視委員会での意見提出(令和3年10月4日)
- ① 地元企業を重視する入札制度
- 2.技術力の向上並びに経営基盤の充実強化
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「品確法」を踏まえ、業務に必要な河川、道路、などの研修会を開催するとともに、これらの研修履歴を管理し客観的に評価するCPD制度を運営するなど会員の技術力向上に取り組んだ。なお、状況に応じ新型コロナウイルス感染症拡大防止のため一部の研修会等を中止とした。
- ① 業績成果発表会(令和3年6月29日)
- ② 日本技術士会東北福島支部研修会(共催)(令和3年7月16日)
- ③ 河川・砂防設計に関する研修会(令和3年7月30日
- ④ 道路設計に関する研修会(令和3年8月31日)
- ⑤ 日本技術士会東北福島支部研修会(共催)(令和4年2月4日)
- ⑥ 橋梁点検診断研修会(中止)
- ⑦ 新技法講座(中止)
- ⑧ RCCM資格受験対策講座(中止)
- ⑨ 現場見学会(中止)
- ⑩ 地理空間情報に関する研修会(中止)
- 3.経営環境の改善、基盤の強化
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成果品の品質向上や経営環境の改善を図るため、業務執行上の課題や技術的事項などについて協会の実務者研究会で調査検討するとともに、関係機関へ要望や意見交換会などの機会を捉え働きかけた。
- (1) 実務者研究会の開催
- ① 材育成部会(令和3年4月22日、令和4年1月13日)
若手人材の確保について - ② CT部会(令和3年4月22日、令和4年1月13日)
ドローンの活用状況や3次元設計の現状について把握及び情報共有 - ③ 災害対応検討WG(令和3年6月16日、7月15日、8月5日、8月27日、12月9日)
令和元年度東日本台風の大規模災害対応を踏まえ、歩掛及び作業工程について検討し、県土木部と意見交換を行った。(令和3年10月21日、令和4年3月8日) - (2) 県との意見交換会の開催(令和4年1月18日再掲)
- (3) ふくしまインフラメンテナンス技術者育成協議会事務局を担当
県内技術者の技術力の向上等を図るため平成29年7月に設立した「ふくしまインフラメンテナンス技術者育成協議会」において、福島県建設産業団体連合会、福島県建設業協会とともに事務局を担当した。 - (4) 業承継に関する講習会の開催
企業の事業承継に関する手法と留意点について
- 4.入札制度改革への適切な対応
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福島県土木建築調査設計団体協議会を通じての県入札制度等監視委員会での意見を提出(令和3年10月14日再掲)
- 5.地域貢献への取り組み
- 一般社団法人として公益的な事業に積極的に関わり、これまでと同様地域貢献事業に取り組んだ。
- (1) 「測量の日」事業を通じ、県民に測量の普及と啓発を図った。
- (2) 河川クリーンアップ作戦」「道路美化作業」等地域貢献事業へ各支部単位で積極的に協力・参加した。なお、一部の事業が新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止となっている。
- (3) 次世代を担う測量技術者育成と若年労働者確保対策の一環として、インターンシップの受け入れ等の学校行事活動に積極的に対応した。また、高校生の測量競技大会は県立岩瀬農業高等学校で開催され9名の審判員を派遣した。
Ⅰ 総会・役員会・その他主なる会議
- 1.第55回定時総会
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5月14日 書面表決
表決者 会員71名 - (1)議 案
- ① 令和2年度事業報告並びに同決算書の承認について
- ② 令和3年度入会金及び会費(案)の承認について
- (2)報告事項
- ① 令和3年度事業計画並びに同予算書について
- ② 事業承継特別委員会の設置について
- (3)会員及び職員の表彰 永年勤続優良職員表彰 19名
- 2.全員協議会
- 11月26日 於)郡山市「郡山ビューホテルアネックス」 出席者 会員55名
- 3.正副会長会議 3月11日
- 4.理 事 会
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- (1)第1回 4月27日 本協会事務局
- 議 題 ①第55回定時総会について
- ②事業承継特別委員会の設置について
- ③事業承継特別委員会委員長の選任について
- ④事業承継特別委員会委員の承認について
- ⑤就業規程の一部変更について
- (2)第2回 10月12日 本協会事務局
- 報告事項 ①令和3年度収支計算書(中間決算)について
- ②代表者の変更について
- 議 題 ①令和3年度全員協議会について
- ②定款の変更について
- ③協会活動基本方針の制定について
- ④インターンシップ受け入れにかかる新型コロナウイルス感染対策について
- (3)第3回 12月10日 本協会事務局
- 議 題 ①福島県土木部との意見交換会について
- (4)第4回 3月18日 本協会事務局
- 議 題 議 題 ①令和3年度事業実績並びに同決算見込みについて
- ②令和4年度事業計画並びに同予算書について
- ③各委員会事業実績並びに事業計画案について
- ④定款の一部変更について
- ⑤活動基本方針の制定及び行動宣言について
- ⑥第56回定時総会について
- ⑦協会表彰について
- 5.監 事 会
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書面実施
監査事項 令和2年度事業報告並びに同決算書の関係書類 - 6.その他の会議等
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- (1)建産連理事会 4回
- (2)建産連参与会 3回
- (3)第10回福島県建設業産学官連携協議会幹事会 6月2日 ※Web開催
(木町副会長) - (4)建産連第37回通常総会 6月2日 福島市「ウェディングエルティ」
(皆川会長) - (5)全測連令和3年度定時総会 6月15日 東京都
(皆川会長) - (6)フォーラム:がんばろう!東北 7月6日 福島市「ウェディングエルティ」
(皆川会長) - (7)福島県建設業産学官連携協議会 7月13日 福島市「杉妻会館」
(皆川会長) - (8)令和4年度福島県優良土木・建築委託業務表彰式 8月6日※各所伝達
- (9)令和3年度第1回技術委員会 8月11日 本協会事務局
(技術委員2名、実務者研究会3名、佐藤専務理事) - (10)第1回事業承継特別委員会 8月11日 本協会事務局
(委員4名、佐藤専務理事) - (11)令和3年度第1回総務委員会 9月8日 本協会事務局
(委員3名、佐藤専務理事) - (12)第2回事業承継特別委員会 9月8日 本協会事務局
(委員4名、佐藤専務理事) - (13)第11回福島県建設業産学官連携協議会幹事会 10月11日※Web開催
(木町副会長) - (14)令和3年度第1回企画委員会 10月12日 本協会事務局
(委員3名、佐藤専務理事) - (15)令和3年度建設事業関係功労者等国土交通大臣表彰表彰式
(皆川会長) - (16)日本測量協会東北支部役員会 11月30日※Web開催
(皆川会長) - (17)第8回福島県建設業産学官連携協議会 12月1日 福島市「杉妻会館」
(皆川会長) - (18)新年あいさつまわり 1月11日 (正副会長、佐藤専務理事)
- (19)全測連60周年記念行事出席用務 1月13日 東京都
(皆川会長) - (20)令和3年度第2回企画委員会 2月22日 本協会事務局
(委員3名、佐藤専務理事) - (21)東日本大震災復興祈念式典 3月11日 福島市「福島県文化センター」
(皆川会長) - (22)令和3年度第2回技術委員会 3月18日 本協会事務局
(委員2名、佐藤専務理事) - (23)令和3年度第2回総務委員会 3月18日 本協会事務局
(委員3名、佐藤専務理事) - (24)ふくしまインフラメンテナンス技術者育成協議会第12回協議会 3月23日
福島市「福島県建設センター」
(皆川会長)
Ⅱ 各種研修会・講習会等
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- ①福島県学校農業クラブ連盟技術競技大会平板測量競技会(協賛) 7月6日
審査員派遣県中支部9社 - ②県立高等学校現場実習受け入れ
9月 7日~10日 県立磐城農業高等学校 2名 受け入れ会員2社
10月25日~28日 県立平工業高等学校 10名 受け入れ会員7社 - ④福島県職員研修への講師派遣 【5月21日】(初任技術者研修) 会員2社
- ⑤市町村職員研修への講師派遣 【中止】
- ⑥福島県職員研修への講師派遣 【10月14日】(ドローンの活用と写真解析)会員2社
- ①福島県学校農業クラブ連盟技術競技大会平板測量競技会(協賛) 7月6日
Ⅲ 啓発広報関係
- 1.「測量の日」(6月3日)の啓発
業界紙の紙上による広告宣伝を行い、一般への周知を図った。 - 2.会報等の発行
業界の活動状況について掲載し、発注機関・会員等に配布して啓発広報に努めた。 - 3.ホームページの活用
- 4.測量士(補)等の受験関係の周知及び用紙の斡旋
- 5.参考図書、各種資料、用紙等の斡旋配布
- 6.会員の登録等事務の円滑化
- 7.その他関係法令通達基準等の周知連絡
- 1.「測量の日」(6月3日)の啓発
Ⅳ 慶弔関係
- 1.表彰関係
令和3年度建設事業関係功労者等国土交通大臣表彰 皆川 雅文(㈱皆川測量)
建産連会長表彰(従業員) 八木沼 国彦(㈱郡山測量設計社)
永年勤続優良職員表彰 19名 - 2.弔事関係
会員及び関係者の家族等の死去に際し、運営規程に基づき弔意を表した。
- 1.表彰関係