一般社団法人福島県測量設計業協会

令和2年度 事 業 計 画


【ポイント】
福島の復興・創生の実現に貢献する郷土の技術者集団であり続けることを目指し、重点目標を掲げ以下の事業を実施する。

 国の令和2年度一般会計予算総額は102 兆6 千億円で、公共事業費は6 兆8,571億円と528 億円の減となったが、令和2 年1 月30 日に成立した元年度補正予算で1 兆4 千億円公共事業費が計上されており、自然災害への備えと経済成長の強化を図る切れ目のない予算となっている。
 国土交通省においては、令和2年度予算の基本方針として「被災地の復旧・復興」、「国民の安全・安心の確保」、「生産性と成長力の引上げの加速」及び「豊かで暮らしやすい地域づくり」の4つを重要分野として掲げ、投資効果や必要性の高い事業の重点化と令和元年度補正予算を組み合わせて切れ目ない取り組みを進めるとしている。
 福島県の令和2年度一般会計予算は、1兆4千億円で、令和元年東日本台風など災害からの復旧と生活・生業の再建に向けて取り組むとともに、総合計画に基づく11 のプロジェクトに重点配分した予算としている。復興・創生期間の最終年度であり、復興創生分は、前年度より958 億円の減となったが台風による災害復旧事業の増等があり全体では185 億円の減となっている。公共事業関係は、普通建設事業費が4.7%増の約2,802 億円で、維持補修費については前年比20.1%増となる289億円となっている。また、2 月補正でも災害対応と国の補正に応じた740 億円を計上しており、復旧・復興と地域創生に向け切れ目のない予算となった。
 当協会としては、令和元年東日本台風による災害において建設関係で県と市町村を合わせて2,741 件、査定額890 億円、農林関係では1,905 件査定額159 億円という甚大な被災に対応するため、被害の少なかった会津若松支部及び喜多方支部から中通り、浜通り地方を支援するとともに、全測連を通して全国の測量設計業協会の支援を受けるなど災害査定資料作成業務の早期完了向け取り組んできたところであり、令和2 年度は残る実施設計や一時中止した業務を速やかに完了させ災害からの復旧・復興と福島の未来を創る社会資本整備への貢献に努める。
 また、高度経済成長期に整備された河川道路等のインフラ(社会基盤)の多くが建設から40 年以上経過し耐用年数を迎えてきていることから、点検・診断などインフラの老朽化対策に積極的に取り組むとともに、改正品確法の受注者責務に応えるため、地域の特性を把握し将来の姿を描ける知識と能力を有する技術者の育成に努める。さらに、経営基盤の安定・充実を図るとともに働き方改革を推進し技術者の確保に努め、福島の復興・創生の実現に貢献する郷土の技術者集団であり続けることを目指し、重点目標を掲げ以下の事業を実施する。
 なお、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大防止の対応として、事業の実施にあたっては、国県等の拡大防止対策を踏まえ、いわゆる3密の回避など基本的な対策を徹底するとともに、状況に応じて研修会などの行事の延期や中止などを判断することとする。
1 重点目標
 (1) 「地産地消」を基本とした地域技術者集団である会員企業の活用促進
 (2) 改正品確法の受注者責務である技術力向上、技術者育成、確保
 (3) 働き方改革の推進
 (4) 経営環境の改善
 (5) 入札制度改革への適切な対応
 (6) 地域貢献活動
 (7) 災害復旧関連事業への優先取り組み

2 実施事業
 (1) 会議
  ① 官公庁及び関係団体との協議・意見交換
  ②(一社)全国測量設計業協会連合会・東北地区協議会との連携
  ③(一社)福島県建設産業団体連合会ほか関係諸団体との協議・情報共有

 (2) 要望、建議
  ① 働き方改革推進に関する要望
  ② 改正品確法の発注者責務である「適切な工期の設定」などに関する要望
  ③ 若い技術者の育成・確保に関する要望
  ④ インフラの点検・診断業務の地元企業の積極的活用に関する要望
  ⑤ 大規模災害時の対応に関する要望

 (3) 技術力の向上並びに経営基盤の充実強化に関する事業
  ① 技術力向上のための専門研修・講習会の開催
   ア)橋梁・トンネル等構造物の維持・補修に関する技術力の向上
   イ)土砂災害基礎調査に関する技術力の向上
   ウ)災害復旧事業に関する技術力の向上
   エ)三次元データ活用セミナー
  ② 資格取得支援講座等の開催
  ③ 独占禁止法や入札制度等、経営に関する講演・研修会の開催
   コンプライアンス意識の向上(倫理綱領の遵守)
  ④ 経営改善や新規業務開発に繋がる業務・技術に関する調査・研究
  ⑤ 関係法令、規則、指針等の周知
  ⑥ 協会独自のCPD制度の検証と適切な運営
  ⑦ 働き方改革の推進

 (4) 啓発宣伝・地域貢献等に関する事業
  ① 会報、会員名簿の発行
  ② 協会ホームページの運用
  ③ 業務用参考図書の斡旋
  ④ 会員・従業員の表彰
  ⑤ 高校生の測量競技大会の支援及びインターンシップの協力
  ⑥ 測量体験教室など新たな地域貢献事業の実施

 (5) その他事業を円滑に実施するため、関係機関等と連携を密にし、必要に応じて随時適切な運営を図るものとする。

令和元年(平成31年)度事業報告

 平成31年度の事業計画においては、浜通りを中心とする災害復旧・復興事業への優先的な対応、インフラの老朽化対策としての点検・診断や土砂災害基礎調査業務の促進、技術力の向上と有能な人材の確保及び育成など、地域の技術者集団として一日も早い福島の復興・創生の実現に向け、重点目標を掲げ各種事業に取り組んだ。
 9月までは、事業計画に基づき各種講習会等を開催するなど計画どおり各種事業を実施したが、10月の令和元年東日本台風による大規模な災害の発生により一部の事業を中止するなどし、災害対応を優先しつつ、発注機関等との意見交換や要望活動も実施した。

1.「地産地消」を基本とした地域技術者集団活用の取り組み
 福島県測量設計業協会会員は、地域の雇用の確保や災害時の緊急出動など地域の安定と安全に寄与し、また地域の実情に精通し知識と技術力を備えた郷土の基幹産業の一員として地域社会発展に貢献してきていることを訴え、地域の技術者集団として自己研鑽に継続的に取り組んでいる会員の活用などについて、あらゆる機会を捉え県など発注機関等へ要望や要請をした。
 (1) 県土木部との意見交換会(令和2 年1 月14 日)
  ① 公共事業予算の安定的確保と計画の公表
   地元企業が計画的な投資により、人材と機器の確保を図るため。
  ② 最低制限価格の引上げ
    激甚化する災害や長寿命化に対応する技術指針の見直しや、3次元測量設計など
   日々進歩する技術に対応する人材の確保と機器の導入をするため。
  ③ 業務完了時期の平準化と業務の効率化
  過重労働を無くし働き方改革関連法の順守と技術者の確保を図るため。
  ④ 地元企業の積極的活用
  ・構造物設計や概略、予備設計などにおける地元企業の活用
  ・多数箇所の施設点検や、危険箇所調査等における適正な地域毎の分割
   地元に精通し地域貢献を目指す当協会員が末永く地元で営むため。

 (2) 建産連を通じての自民党本部及び国土交通省への要望活動(令和元年11 月29 日)
  ① 公共事業予算の安定的確保
  ② 適正な利潤の確保(発注施工時期の平準化) ほか

 (3) 建産連を通じての自民党県議団へ要望(令和元年9 月2 日)
  ① 公共事業予算の安定的確保
  ② 最低制限価格の引上げ
  ③ 業務完了時期の平準化
  ④ 地元企業への優先発注
  ⑤ 災害時における対応(適切な工期を確保した随意契約や単価契約制度の導入)ほか

 (4) 福島県土木建築調査設計団体協議会を通じての県入札制度等監視委員会での意見陳述
  (令和元年11 月20 日)
  ① 地元に精通し地域貢献を目指す企業が高い評価を受け、受注に反映させる評価項目の設定
  ② 電子入札の拡充(閲覧図書の簡素化など)
  ③ 地元での活動や仕事量に応じた入札のできる指名競争入札の継続 など

2.品確法の理念を実行し、IT化等新技術に対応する人材の育成
 「品確法」を踏まえ、業務に必要な河川、道路、新技術などの研修会を開催するとともに、これらの研修履歴を管理し客観的に評価するCPD制度を運営するなど会員の技術力向上に取り組んだ。
  ① 業務成果発表会(令和元年5 月28 日)
  ② 日本技術士会東北本部福島支部研修会(共催)(令和元年6 月21 日)
  ③ 橋梁点検診断研修会(令和元年8 月1 日)
  ④ 技術士第一次試験受験対策講座(令和元年8 月5 日中止)
  ⑤ 新技法講座(令和元年8 月20 日)
  ⑥ RCCM資格受験対策講座(令和元年9 月5 日)
  ⑦ 道路設計に関する研修会(令和元年9 月25 日)
  ⑧ 河川・砂防設計に関する研修会(令和元年10 月2 日)
  ⑨ 三次元データ活用セミナー(令和元年10 月23 日・24 日中止)
  ⑩ 東京電力福島第1原子力発電所視察(令和元年11 月11 日中止)
  ⑪ CPD(継続教育)制度運用(学習プログラム、履歴証明書発行、HPでの企業紹介)

3.経営環境の改善、基盤の強化
  成果品の品質向上や経営環境の改善を図るため、業務執行上の課題や技術的事項など
 について協会の実務者研究会で調査検討するとともに関係機関へ要望や意見交換会などで
 機会を捉え働きかけた。
 (1) 実務者研究会の開催
  ① 人材育成部会の設置(令和元年6 月13 日、9 月10 日)
   若手人材の確保を検討することとした。
  ② ICT部会の設置(令和元年6 月13 日、令和2 年2 月6 日、2 月20 日)
   ドローンの活用状況や3次元設計の現状について把握及び情報共有の必要性等について検討した。
   また、県土木部とのCIMの現状について情報交換を行った。(2 月20 日)
  ③ 災害対応マニュアル部会(令和元年9 月10 日、令和2 年2 月6 日、2 月20 日)
    協会発行の災害測量設計マニュアルの一部改訂を行った。また、県土木部と令和元年
   東日本台風の災害対応にかかる情報交換を行った。(2 月20 日)

 (2) 県との意見交換会の開催(令和2 年1 月14 日再掲)
 (3) ふくしまインフラメンテナンス技術者育成協議会事務局を担当
   平成29 年7 月に会員の技術力の向上等を図るため加盟した「ふくしまインフラメン
  テナンス技術者育成協議会」において、福島県建設産業団体連合会、福島県建設業協会
  とともに事務局を担当。

4.入札制度改革への適切な対応
 (1) 福島県土木建築調査設計団体協議会を通じての県入札制度等監視委員会での意見陳述
  (令和元年11 月20 日再掲)
 (2) 建産連を通じての自民党福島県支部連合会入札制度改革検討会での意見陳述
   (令和元年6 月12 日)
  ①地域安全安心は地域で守るという考えを基本に制度を見直すこと。
  ②最低制限価格、低入札の失格基準及び調査基準価格を引き上げること。 ほか

5.地域貢献への取り組み
 一般社団法人として公益的な事業に積極的に関わり、これまでと同様地域貢献事業に取り組んだ。
 (1)「測量の日」事業を通じ、県民に測量の普及と啓発を図った。
 (2)「河川クリーンアップ作戦」「道路美化作業」等地域貢献事業へ各支部単位で積極的に
  協力・参加した。
 (3) 次世代を担う測量技術者育成と若年労働者確保対策の一環として、高校生の測量競技大会
  及びインターンシップの受け入れ等の学校行事活動に積極的に対応した。

6.災害復旧関連事業への取り組み
  災害復旧事業へ優先的に対応するとともに、除染に関する業務についても積極的に取り組
 んだ。ふくしま市町村支援機構を通じて3市村、4社7名が発注者(除染)支援業務に当協会
 会員から従事した。
  また、令和元年東日本台風の災害対応に際しては、全測連等を通じ全国の測量設計業協会に
 要請し県内の災害復旧業務の支援を得た。このほか、県土木部に対して県外支援に対する旅費交通費の
 適切な計上や災害業務以外の一時中止を要請するなど災害業務が円滑に進むよう取り組んだ。
  【参考】
 ■10 月12 日(土)から13 日(日) 台風19 号に伴う豪雨
 ■10 月18 日 福測協災害対策本部本部長副部長会議(会長副会長)確認決定事項
  ① 会員の被害状況確認 社屋2社、社員34 名以上(床上、下、車等)
  ② 協定による出動 会津若松、喜多方支部を除く6 支部にあり(後に喜多方支部の出動あり)
  ③ 災害業務の優先について
   1)10 月16 日 建産連より県へ要請(施工中の契約の中止及び延期)
   2)10 月16 日 県より災害対応について文書通知(施工中の契約の中止及び現場被災の対応)        (参考10 月15 日 国要請:応急復旧工事等の優先かつ円滑な実施等)
  ④ 災害対応業務の体制構築
   1)県内会員による支援(会津若松、喜多方支部から中、浜方部への支援)
   2)管外協会による支援要請(10 月23 日東北地区協議会及び10 月25 日全測連へ)
 ■10 月25 日 福測協災害対策本部会議(役員)
  ① 会員の被害状況について(各支部に再確認を依頼)
  ② 災害対応業務の体制構築
   1)県内会員による支援
    会津若松支部4 班は県中及び相双支部へ、喜多方支部4 班は県北支部へ
   2)県外協会による支援
    山形県などをいわき支部及び相双支部へ。他は回答を待って調整。
   3)県外支援への旅費、滞在費の計上を県庁へ要請
    各支部は、県出先へ通常業務の一時中止と業務の平準化を改めて要請することにした。
 ■10 月25 日 国通知「令和元年台風19 号の被災地域での調査・設計・測量等の業務に係る入札及び
  契約の取扱いについて」が発出
 ■10 月28 日 県土木部より「令和元年台風19 号豪雨災害に伴う業務委託等における旅費交通費の
  取扱いについて」が発出
 ■11 月6 日 福測協災害対策本部長副部長会議
  ① 災害対応業務の体制構築(各支部への応援班を確認調整)
  ② 工事の一時中止と応援班の旅費交通費の計上の浸透徹底を県へ要請することとした。
  ③ 併せて査定後の業務の平準化について県へ要請することとした。
 ■11 月19 日 全測連へ2回目の支援要請
 ■12 月5 日 県土木部と役員との意見交換会
  令和元年台風19 号に関する災害業務ほかについて以下を要請した。
  ① 工事(業務)の一時中止と応援班の旅費交通費の計上について(他部局や市町村への浸透)
  ② 査定の効率化の徹底
  ③ 査定後の業務の平準化
  ④ 今後の災害業務のあり方(協定の見直しや災害の調査契約手法などの検討)
 ■12 月20 日 全測連野瀬会長現地視察及び支援金寄贈
 ■2 月20 日 県土木部と協会実務者研究会との意見交換会
 ■3 月24 日 県内支援企業へ旅費を助成

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